会社設立までの流れ

経営を勉強された方でも、会社を設立するまでの流れを知らない方が多いかと思います。ここでは、一般的な株式会社を設立するための手続きを説明していきます。

会社をつくるときは、登場人物である「発起人」「株主」「代表取締役」「取締役」を決めなくてはなりません。
また、場合によっては「監査役」「会計参与」も追加することもあります。

ここでは、おおまかな流れを紹介したいと思います。
ステップ1:会社の重要事項の決定
発起人が会社の骨格を決定し、これを「定款」という社内ルールに定めます。この定款には、会社名(会社の種類も含む)、目的 (*1)、本店の所在地、出資金(設立のときに発行する株式数や今後発行が可能な株式数)、役員、事業年度(決算日)など、会社を運営するうえでもっとも重要な事項を取り決めて記載します。これらの事項を変更する場合は、変更登記を申請する必要があるので、慎重に決めた方がいいです。

*1: 会社は定款の「目的」に書かれていない事業を行うことができません。会社の設立時には行っていないことでも、将来、事業として考えられることは記載しておくようにしておいたほうがいいです。また、事業目的の最後に、「前各号に付帯する一切の事業」と入れておけば、関連する事業をフォローできます。

ステップ2:定款の作成と認証手続き
ステップ1で決定した内容を元に、定款を作成し、その内容が適法に成立したことを証明してもらうために、公証人の認証を受けます。また、会社の名称が決まったら「代表印」(実印)を作成しておきます。それは、登記書類に代表印が必要になるからです。例えば、会社名と役職名を印字するには、「株式会社○○代表取締役印」と彫った印鑑を用意し、設立登記をするときに法務局で印鑑登録します。

ステップ3:出資金の払込み
認証を受けたら、出資金を払込み、これを保管しておきます。この段階では会社は成立していないので、預金口座は発起人個人の通帳を使用します。いったん出資金に見合った金額を引き出してから、再度出資した人の名前が通帳に残るように「振込み」という形で払い込みます。出資金の払込みが済んだら、その預金口座の通帳は払い込んだことの証明に使用します。通帳の表紙、表紙の裏、払込みが記載されたページの3枚をコピーして、「払込みあったことを証する書面」とセットにすれば、出資の証明書の完成です。

ステップ4:登記申請書の作成と登記
定款の認証を受け、出資金の払込みが済んだら、いよいよ登記所(法務局)へ提出する書類の作成です。
例えば、発起人1人、取締役1人で発起設立する場合、次の書類が必要になります。
- 定款
- 払込みがあったことを証する書面
- 発起人決定書
- 設立時取締役の就任承諾書
- (設立時の取締役の)印鑑証明書
- 「登記すべき事項」が書かれたテキストデータ入りの磁気ディスク

これらの書類を作成して法務局に書類を提出した日が、会社設立の日となります。