気合いではなく、冷静にプロジェクト短縮の可能性を計算するには

IT業界では誰しも1度や2度のデスマーチを経験することがあります。
一度も経験したことがないあなたは、非常にラッキーでしょう。

今日は、プロジェクトの納期を短縮できる可能性について考えていきます。

予想されるプロジェクト期間が62週間で、分散(variance)が81週という大規模プロジェクトがあると仮定します。「予定より18週間早くしてほしい」という要望が挙がってきたとします。実現可能性は、何%でしょうか。

「弊社は100%やりますよ。」と答えた場合、デスマーチが待っています。

ここでは、Zスコアを使って計算します。
Zスコアとは、標準偏差の数が母平均より上または下である度合いのことです。

母平均と母集団の標準偏差がわかれば、Zスコアを計算できます。
母集団のすべての観測値を観測することが不可能な場合、無作為抽出を使用して標準偏差を推定できます。

Z = (Due date - expected completion date)/sqrt(project variance)
= ((62 - 18) - 62)/sqrt(81)
= (44 - 62)/9
= -18/9
= -2


エクセルなどで =NORMSDIST(-2)とすると標準正規分布の累積分布関数の値を求めることができます。
答えは、0.022750131948179となり、おおよそ2.3%となります。

2.3%しか実現できないプロジェクトに対して100%大丈夫と答えてしまうのは、
非常に危険と言えるでしょう。